私たちが高校を卒業して進学する頃は、まだまだ就職のためにとか将来のために大学へ進学するという意識はそれほどなかったように思います。現代は就職難と言われていて、大学へ進学していても内定を取るのが難しかったり、大学を卒業後もなかなか仕事が決まらずに大変な思いをしている若者がたくさんいる時代です。そのため、大学へ進学することを決めた若者の意識の中には将来の仕事に活かせるような学生生活を送ることや、将来のために大学へ行く、といったものが根底にあるような気がします。
私の父は大学への進学は必要だとずっと言っていたのですが、その理由は現代の若者が考えているようなものとは全く違っています。私の父が大学への進学を強く希望していた理由はこうです。大学では高校までの友人とは全く違った考え方の友人と出会うことができる、ということです。自分がある程度までは社交的である必要もありますが、社会に出た時に顔が広い、知り合いが多い、一生付き合いのできる友人を作る場所でもある、と考えていたようです。そして、大学生活では勉強することも大事だけれども、遊ぶことも大切だと親らしからぬ思想を持っていました。そのため、高校時代にはアルバイトをしたいと相談してみたことがあったのですが、社会人となれば嫌でも働かなくてはいけないから、急いで働く必要はないと言われました。変わっているのか、どうなのか世間の親御さんとは比べたことがないのでわかりませんが、私も子供を持って納得できる部分もあるなと思えるようになりました。